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明日、悲愴が語るもの

  • 指揮者 木村 友大
  • 11月22日
  • 読了時間: 3分

ご無沙汰しております。

指揮の木村です。


明日は団の皆様と、そしてご来場の皆様と、豊中市文化芸術センター大ホールで素敵な音楽の時間を創ることができればと願っております😊


さて、今年度は《交響曲第6番〈悲愴〉》はもちろん、どの楽曲にも「生と死」が通底しています。練習を重ねるたび、この作品が単なる“悲しみ”ではなく、人生のすべての光と影を抱きしめたうえで到達する境地であることを痛烈に感じました。温かい息づかいを知っているからこそ、死の冷たさが胸を刺す。愛情の輝きを知っているからこそ、その喪失が深い影を落とす。そうした“対立ではなく共存する感情”をどう音に宿すか、皆様とともに向き合ってきました。


【悲愴に宿る陰影】

・幸福が一瞬にして崩れ落ちる、運命の落差の激しさ

・愛と憧れの温度が、いつしか影を帯びていく感覚

・前に進みたい想いが、不可避の宿命に押し戻される葛藤

・絶望の底にさえ消えずに揺らぐ、微かな“生”の火


こうした複雑な情念をどう表現するかを、あっとオケの皆様と悩み、考え、音を重ねてまいりました。チャイコフスキーの成功も孤独も愛も苦悩も、そのすべてを愛おしむようにフレーズを磨く中で、皆様の音には何度も心を動かされました。特に終楽章では、音が消える一瞬一瞬に「生の名残」や「温度」が確かに宿り、その儚さがより一層胸を締めつけるようです。


《眠りの森の美女》や《スラヴ行進曲》でも、生と死、希望と影がさまざまな形で交錯しますが、それらは最終的にすべて《悲愴》へと収束していくように感じています。だからこそ明日は、3曲が織り成す“チャイコフスキーの人生の物語”を、私たち自身の物語として、私たちの音で紡ぎたい。楽器と想いを重ね合わせ、チャイコフスキーの感じたものを皆様と共に描けたらと思っています。


団員の皆様との練習は本当に楽しく、そして深い時間でした。アットホームな雰囲気の中にありながら、音楽の本質に迫ろうと真摯に取り組まれる姿勢に、私も多くの挑戦をさせていただきました。そのひとつひとつが明日、豊中市文化芸術センター大ホールで形となり、優しい響きとなってお客様にお届けできると信じております!


楽団の皆様を心より尊敬するとともに、心より感謝申し上げます。

これまでの素敵な時間を、本当にありがとうございました!


ご来場いただく皆様、何卒明日はお気をつけてお越しください!

そして今年も、どうぞご期待ください!

ご来場を迷われている方は、ぜひ今から、Teketよりお申し込みください。

Teketでの応援コメントもお待ちしております!

チケットはこちら ▶ https://teket.jp/7258/51246

それでは明日、会場の皆様全員との素敵な音楽の空間・時間と出逢えますことを、心より楽しみしております、よろしくお願いいたします!!

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